各国料理と音風景
エスニック料理が好きだ。
特にアジアには目がない。
それにしても東京はすごいところで、
なんでも食べることができる。
タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、インド、
ネパール、台湾、この辺りはポピュラーなので
当たり前のように見かける。
更にラオス、カンボジア、スリランカ、モロッコあたりも
しっかりカバー、高田馬場にいけばミャンマー、
六本木ではウズベキスタンなんかもある。
こんなに世界各国の味が楽しめるところは東京とニューヨークぐらい。
ありがたいことだ。
でもやっぱり各国料理はその国でいただきたい。
まず風景が違う。
人が違う。
言葉が違う。
そして宗教、温度、湿度、匂い、全てが違う。
自分としては自然と耳に入る「音」が重要。
それは波の音だったり、街から聞こえる雑踏の音だったり、様々だ。
そんな環境でいただく味は格別である。五感はしっかりバランスがとれていないといけない。
日本独特のガヤが聞こえてきて、サラリーマンが会社や仕事のグチをいっているのが
聞こえてくると、せっかくの異国の味がだいなしになる。
例えばインドネシアのちょっと甘ったるい味付けは、日本で食べると少ししつこいし飽きる。
でも現地の80%以上ある湿度を体感し、遠くからガムランの音が聞こえてきたりすると、
ビンタンビールがすすんで止まらない。
素材から調理方法、味付け、スパイスの選び方、全てここに合った味。
各国料理はその土地でいただきたいものだ。
マレーシアのペナン島でリゾートしたことがある。
ビーチサイドのホテルで聞こえてくるのは波の音。
この音だけをBGMにしてボケーっとするのが至福の時。
そして時折聞こえてくるのが、近くの寺院から流れてくる大音量のコーランだった。
ここはイスラムの国、なんというエキゾチックな音風景だろう。
戸惑ってしまうくらいの初体験。
波の音とコーランの声。
普通では考えられない組み合わせの立体音響に身体は震えた。
旅行に行ったら景色だけではなく、ぜひ音の風景にも耳を傾けて欲しい。
余談:コーランのメロディは日本の石焼き芋屋とそっくり。