おせっかいな店内放送(2)
店内放送、第2弾。
第1弾でも書いたように、開店や閉店のお知らせ以外にも、
「ランチタイムのお知らせ」「駐車場の案内」「ペット持ち込み禁止案内」
「禁煙案内」などなど、一日中定時放送は続く。
タイムスケジュールを見ると、だいたい10分に1回は何かが流れるようになっている。
百貨店では、ここに「生放送」の案内が挿入される。
店内に流れるBGMが3曲続けて聞けない計算になる。
都度、音楽はブチ切れ、イライラする。
「ごゆっくり、素敵な一日をお過ごし下さい」とかなんとか言っておいて
それをさせてくれない。
だいたい放送の内容を見ると、おせっかいなものか、的を得ていないものが多い。
例えば、ランチタイムのお知らせ。
「ただいま正午。○○で素敵なランチタイムはいかがですか?
ぜひ、○○階レストランフロアにお越しくださいませ」
いやいや、飯ぐらい言われなくても食べますから。ほっといてください。
こちらにもスケジュールがあるんで、いま来いって言われても困るんですけど。
だいたい、行ったらどこも長蛇の列じゃねーか。
いまは大変混み合っております、って案内してくれた方がまだマシ。
例えば「禁煙案内」
「当店は全館、禁煙となっております。おタバコをお吸いの方は喫煙所をご利用ください」
あっ、しばらくタバコ吸ってなかったこと思い出しちゃったじゃねーか。
せっかく忘れてたのに。喫煙所がどこにあるのかも一緒に教えてくれよ。
だいたい、いまどきタバコに「お」つけるなよ。
例えばペット持ち込み禁止。
これはそもそも、入り口でなんとか対処すべき問題で、店内放送で促すものではないので論外。
なーんてことはわかっているはずなので、万が一何か問題が発生した時、
当店では、ちゃんと禁止のコメントを放送しています、っていうアリバイだ。
禁煙放送もしかりですね。
例えばクリスマスギフトのお知らせ。
「もうすぐ、クリスマス、、、、」 知ってますよー。それぐらい。
例えばバーゲンのお知らせ。
「ただいま当店では、○○セールを開催中!」
バーゲンだから来てるんですけど。。。
例えばエスカレータ注意案内(エスカレータで流れている放送)
「エスカレーターにお乗りの際は、黄色い線の内側にお立ちになり、
ベルトにおつかまりください。
よい子のみなさん!エスカレータでは走ったり、遊んだりしてはいけませんよ」
たぶん、「よい子のみなさん」は、遊んだりしないでしょう。
流すんだったら、「おいこら、悪ガキ!そこで遊んでるんじゃねーぞ」って
読み直した方がいい。これもアリバイコメントの代表例。
また、上の例では省いたが、多くのコメントには以下のような定型文が加わる。
「本日は、○○百貨店にご来店いただきまして、まことにありがとうございます。
ご来店のお客様に、ご案内申し上げます。
(本文)
本日は、○○百貨店にご来店いただきまして、まことにありがとうございます。
引き続き、お買い物をお楽しみくださいませ」
いやいや、長い長い。
これをまたゆっくり読むからさらにイライラする。
そして、肝心の本文の内容が全く記憶に残らない。
現状のような定時放送だったら、無い方がよっぽどスマートな
ショッピングシーンをつくることができる。
接客サービスの向上にも影響が出る。
最終的に、心地いい空間であったことが記憶に残り、再来店につながっていく。
何でもかんでも流すのをやめて、本当に必要なことを、
もっとシンプルにさりげなく、センス良く演出してもらいたい。
開店とか閉店が重要であるならば、いっそのこと、
もっとエンターテイメントな演出に変えたらどうだろう。
開店とか閉店、その言葉自体が堅く事務的なので、
開店をオープニング、閉店をエンディングと呼ぶだけでイメージが違ってくる。
そもそもインスト音楽+ナレーションではワクワクしないので、
テーマソングで華やかに幕をあける。
エンタメにすればキャラクターも設定できるし、多角的な展開も期待できる。
だいたい、2~3分の開店案内を店内で流して、何人の人が聴けるのだろう。
開店を今か今かと並んでいた一部の人にすぎない。
で、この人たちは目的がはっきりしているので、一目散にその売り場に直行。
放送なんか聴いちゃいない。
やるんだったら、エントランス付近を舞台に見立てて、
ショーやパレードをやるぐらいのエンタメ性を演出したほうがいい。
そこにオリジナリティのあるストーリーを展開させ、
音だけでなく、光の演出、噴水やフォグ、香りのカーテンをつくってもいい。
これらを徹底して設計、演出することが、五感で感じる商業施設を生むに違いない。
もし実現できたら素晴しい。