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増えつづける柱サイネージ

  • gokankobo
  • 2017年3月5日
  • 読了時間: 3分

デジタルサイネージ(渋谷駅)

一般的にはデジタルサイネージといっている動く看板。

液晶やプラズマディスプレイが街のいたるところで見られるようになって久しい。

電機メーカーの生残り戦略もあって、すさまじい勢いで増え続けている。

見にくかった電光掲示板などが、カラフルで大きくなったのはいいことだと思う。

目的がはっきりしていて効果があれば文句はない。

日本のメーカーの技術を誇りに思ったりもする。

しかし近頃はどうだろう。なくてもいいところに、どんどん増えているような気がする。

空間にちょっとでも隙間があればディスプレイを埋め込む。

特にひどいのが駅。

壁だけならまだしも、柱という柱にディスプレイが取り付けられている。

新宿、渋谷、恵比寿、どんどん広がり、今では都心のJRの駅はサイネージだらけ。

JRだけかと思っていたら、最近は私鉄も右に倣えだ。

この「柱サイネージ」のおかげで駅の個性もなくなってしまった。

流される映像は一斉に同じように動く。ほとんどは広告。

まるで空間全体が広告商品によって揺り動かされているようだ。

落ち着かないを通り越して、暴力的とでも言いたくなる。

公共空間はできるだけシンプルで心地いい空間が必要で、

これではサイン機能もかすんでしまう。

目下のところ、最古参ながら究極の電子看板は品川駅。

JRの改札を出て、インターシティ方面に向かう長い通路。

ここに延々とディスプレィが両端、両面に付けられ、広告映像が一斉に動く。

すごすぎて「あっぱれ」をあげたくなってしまう。

デジタルサイネージ(品川駅)

上海の南京東路の気が狂ったような光の洪水を思い出す。まさに暴力的景観。

誰も求めていないし、ありがたくもない。しかも誰も見ていない。

電機メーカーと広告代理店だけの自己満足。

広告を否定もしないし、デジタルサイネージは悪だとも言わない。

しかし、もっとセンスのいい、粋なやり方があるはずだ。

最近では、ある音響メーカーが「サウンドサイネージ」と称して電子看板に音を付け始めた。

私が目撃したのは、渋谷の井の頭線改札付近とJRのハチ公口。

TV-CFの音を効果的に映像や静止画にプラスし、広告効果をだそうというもの。

看板だけでいい加減うんざりなのに、ここに音の公害をまき散らすとは。。。

だいたい、駅は必要があって通る空間、つまり公共の場である。

自分の意思でテレビやスマホを見たりするのとはわけが違う。

販売空間ならまだしも、そこで強制的に「ある音」を聞かせるという行為自体、

許されるのだろうか?

拡声器法にふれないのか。サブリミナル効果にはならないのか。

今はサブリミナル効果自体が疑問視されている時代とはいえ、

広告側がそれを意識して仕掛けているとすれば問題だ。

公共性と広告は多くの場合、相反するもの。そのバランスをとることは至難の技だ。

何を優先するべきかは文化の問題。

電子看板の根元は「張り紙文化」だ。

あの美しい日本の風景はどこに行ったんだろう。

※2017年現在、サウンドサイネージを見かけなくなった。

ひょっとしたらクレームがあったのかもしれない。


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